スモールステップとプロンプト・・・
今回は、成功体験に大切なスモールステップとプロンプトについてお話ししたいと思います。
スモールステップとは、文字通り『小さな段差』です。
つまり、細かく段階づけを行うということです。
いきなり難しい課題から取り組んだり、急にレベルを上げるのではなくて、簡単な課題から少しずつレベルを上げていくのです。
プロンプトとは、子供から期待する言動を引き出すための補助(手助け)のことを言います。ABA(応用行動分析学)などでよく使われる用語でもあります。
例えば、直接子供の体に触れて動作を誘導したり、言葉の一部を伝えて発語を引き出すような支援のことです。
具体例で説明したいと思います。
例えば、『縄跳びで前跳びができるようになる』ことを目標にするとします。
もちろん状況次第ですが、いきなり縄跳びを持たせて反復練習させてもなかなか上達は難しいです。
そのため、まず私たち作業療法士はその子がどこでつまづいているかを分析します。
ジャンプの問題なのか、縄回しの問題なのか、リズム感の問題なのか、、、、などなど。
ここでは、例えばジャンプの問題が大きいと感じた場合の練習を考えて見ます。
まず縄は持たずに、
①その場で連続ジャンプをする練習
②できるだけ楽に(必要最低限の高さや力で)一定のリズムでジャンプする練習
③ジャンプと交互に両手を叩く練習
④ジャンプと一緒に、縄を回すように両手首を回す練習
・・・・
というようにできるだけ細かく段階づけを行います。
これがスモールステップです。
これにプロンプトを加えるとすると例えばこうです。
①その場で連続ジャンプをする練習
→ジャンプをする位置にテープを貼る
②できるだけ楽に(必要最低限の高さや力で)一定のリズムでジャンプする練習
→飛ぶ高さを具体的に教える、ジャンプするタイミングで体に触れる
③ジャンプと交互に両手を叩く練習
→手拍子で両手を叩くタイミングをとる
④ジャンプと一緒に、縄を回すように両手首を回す練習
→端を丸く結んだタオルを持たせる
・・・
これはあくまで一例ですが、このように子供の運動を引き出すプロンプトを行います。
(※当然、ケースバイケースですのでこれが正解や万能ではありません。)
以上のように、「ここまでするのか・・!?」というぐらい細かなスモールステップや、きめ細やかなプロンプトを訓練の中では行っていきます。
そして、子供の成功体験を丁寧に積み上げていくのです。
今回はここまでにします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。